大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1735 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人静永世策の上告趣意について。

原審における第二回以後の公判期日が被告人の弁護人静永世策に通知せられなか

つたことは所論のとおりである。しかしながら右は所論のように違憲の問題として

採り上げるべきではないのみならず、同弁護人は第一回公判期日の呼出を受けなが

ら正当の理由もなく右期日たる昭和二六年二月五日原審の公判に出頭せず、被告人

は、別に弁護人安達勝清、藤田三郎を選任したため、裁判所は第二回以後の期日に

ついては被告人及び右両弁護人にのみ通知し、右各期日に出頭した被告人等は右弁

護人静永世策に通知のなかつた点について何等の異議を述べることもなく原審の審

理を終結するに至つた経過は一件記録に徴して明らかである。弁護人静永世策とし

ては、第一回期日の通知を受けながら、出頭しなかつたのであるから、その後の期

日については、これを裁判所に問い合せるとか被告人と適宜連絡をとりさえすれば、

たやすくこれを知ることができる筈であり、また弁護人として正に採るべき道であ

るにかかわらず同弁護人が全然これを知らなかつたとするならば、弁護人として採

るべき道を尽さなかつたものといわなければならない。本件はいわゆる強制弁護の

事件ではあるけれども、前叙のごとく被告人及び二弁護人には毎回期日の通知がな

され右弁護人等は各期日に出頭して十分に弁護の任に当つて居るのであるから、本

件としては実質的には被告人の弁護に欠くるところはなかつたものというべく、前

記原裁判所の手落ちは、旧刑訴の規定に照し、違法たるを免れないけれども、事情

右の如き次第である以上、原判決を破棄しなければ、著しく正義に反するとは考え

られないから、結局本件上告はこれを棄却すべきものとし刑訴施行法三条の二刑訴

法四〇八条により主文のとおり判決する。

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この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年三月七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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